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SDGs目標達成も実現可能 理想的な家づくり 【住まいから変えるSDGs④】

2020.09.14
目標1:貧困をなくそう
目標2:飢餓をゼロに
目標3:すべての人に健康と福祉を
目標12:つくる責任 つかう責任

国連が掲げるSDGsの17目標から見た理想的な家づくりについて考える吉田登志幸さんのコラム「住まいから変えるSDGs」。最終回の今回は、目標達成のカギをにぎる家づくりについて迫ります。未来の子供たちのため、今、大人たちができることは?


国連が掲げるSDGsの17目標のうち、まっさきに「貧困をなくそう」が目標①に来ているということは非常に意義深いことです。まさに、「これなくしてSDGsなし」と言っても過言ではないかもしれません。

高断熱高気密の住まいが健康に大きく貢献するように、貧困なき世界が平和をもたらすことに疑問の余地はありません。世界の争いの主原因は、貧困からきているので、1番目に掲げられるのは当然でしょう。

では、この大きな課題にどのように向き合っていくか? それは、とりもなおさず「雇用」が最大のカギを握ると思います。

「雇用」と言っても、単なる言葉ではなく、「正当な時間」「正当な報酬」「正当な仕事内容」がともなっていなければなりません。これが崩れるようでは貧困をなくすことは不可能だからです。

高性能な家づくりで正しい雇用を創出

家づくりを担う住宅産業は、雇用にも重要なカギを握っています。

そのすそ野の広さと言ったら、実に幅広い! 大工さんはもちろん、基礎工事をする基礎屋、左官屋、電気屋、水道設備屋、内装屋などの職人さんたち。さらには、林業、製材業、メーカー、流通業などのモノを扱う人たち。また、不動産、設計事務所などほかにも関係する人たちはたくさんいます。家一軒をつくるのには、非常に多くの人たちがからんでいるのです。

これに対し、世の中に出回っているいろいろな製品は、全自動化によって人の手がほとんど要らないような工場で、ドンドンドンドン生産されています。人が不要ならば、当然、雇用も不要ですよね。

つまり、多くの人たちの手によってつくられる住宅は、ほかのものづくりに比べ、多くの雇用を生んでいると言えるのです。皮肉なことに、自動化の波が住宅にも押し寄せ、新築をイケイケドンドンで建ててしまい、結果的にエネルギーがダダ漏れの家が蔓延(まんえん)してしまっている事実もあります。

しかし、このコラムで何度も言っている、高断熱高気密「ZEH(ゼッチ)=Net Zero Energy House ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略=」(出典|経済産業省資源エネルギー庁)であれば、雇用を維持しながら、無駄なエネルギーを垂れ流さることはありません。一石何鳥ものメリットが出てくるのです。

価値ある新築住宅をつくる会社が、正当な時間と正当な報酬と正当な仕事内容を提供すれば正しい雇用となります。また、携わる職人さんやその他の多くの人々に同じく正当な時間と正当な報酬と正当な仕事内容を提供すれば、その人たちがさらに正しい雇用を行える確率が格段に増えるのです。

小さな規模でも、これが出来るのは大企業だけではありません。父ちゃん母ちゃんの町場の工務店でもこれら正しい認識をもった素晴らしい人たちと素晴らしい性能の家をつくれるところが日本にはたくさんあります。

そして、彼らは意識して正しい雇用を行っていますし、職人さんや関係各位にも丁寧につきあい、時間やお金を奪うことは絶対しません。そういうことをやるのはむしろ大企業が立場に物を言わせ、下請けに無理難題押し付けている方が圧倒的に多いと言わざるを得ません。

規模が小さいだけに声も小さく宣伝も出来てないので知られていませんが、意識して探してみるとちゃ〜んと存在しています。新築一棟の重みは大も小も同じなのです。

それとこれも重要な点ですが、広いすそ野でしっかりと住宅がつくられたとしても、作業を工場ですべてしてしまっては、工場の雇用機会は発生しますが、いずれ自動化されて無人化が進んでいきます。それは当然のことですよね。

となると、地域における正しい雇用の機会損失になります。さらに工場が遠方にあった場合、わざわざ運んでCO₂排出の増長にもつながってしまうのです。SDGs的に言えば、これは良くないことです。

仮に、海外にある工場でつくられ、日本に来るとなると、日本の雇用までなくなり、CO₂もさらに排出してしまって良いことがまるでありません。

そう、ここでも“つかう責任”でSDGs的に正しい雇用をおこなっているところの家を選択してあげる必要があるのです。正しいところが生き残れなくなるので目標①もいつまでたってもクリアできないことでしょう。

大きな目標に向かって、一人ひとりの心がけから

目標②「飢餓をゼロに」も、①と同義語に近いですね。やはり、正しい雇用に尽きると思います!

目標⑤「ジェンダー平等を実現しよう」はどう活動して良いか難しいと考えがちですが、啓発や改革をする以外に方法はあるのです。

それは、正しい雇用なのです。

またか!?と言われそうですが、正しい雇用って本当に大事なんです。例えば、「ジェンダー」を理解し、快適に働ける環境を整えていくだけで十分この目標達成に寄与しているのです。

目標⑥「安全な水とトイレを世界中に」も、世界中の人々にとってみたら、とても大きな目標ですね。でも、正しい雇用を進め、持続可能な成長から利益を生み、税金をしっかり払い、そのお金で国や行政に整備してもらうほか、近道はありません。むしろ、それしか方法はなのかな?思います。

目標⑩「人や国の不平等をなくそう」と、目標⑯「平和と公正をすべての人に」はほぼ内容に共通項が多いので一緒に考えると、これまた行き着くのは正しい雇用です。正しい雇用が安心とゆとりと公正をもたらせ、すべての人々の衣食が足り、礼節を知れば不必要な争いがなくなり平和に近づきます。 

非常に大きな大きな目標ですが、一人ひとり、一社一社の小さな集団が正しい雇用をおこなえば、それはやがて大きな集団となって色んなものが変わっていくことでしょう。

目標⑰「パートナーシップで目標を達成しよう」は、⑯と同じようなことですが、正しいことを行っている人が持続可能に継続できるためにも“つかう責任”というパートナーシップがとても重要です。まさに、その正しい選択をしてくれなければ、生き残ることはできません。ぜひとも彼らを見つけてあげて、“つかう責任”をまっとうして欲しいと思います。

未来の子どもたちのため、つかう責任を

ということで、最後にまとめると、高断熱高気密ZEHを建てるという⑫つくる責任つかう責任の特につくる責任が果たされ、そこから③すべての健康と福祉をクリア、そこから④質の高い教育をみんなにと⑦エネルギーをみんなにそしてクリーンに⑧働きがいも経済成長も⑨産業と技術革新の基盤をつくろう⑪住み続けられるまちづくりにつながり、更に⑬気候変動に具体的な対策を⑮陸の豊かさも守ろう⑭海の豊かさを守ろうとつながりまして、利益をあげ正しく税金を納めることにより⑥安全な水とトイレを世界中に実現し、最後に先ほどらいから言っている正しい雇用をすることにより①貧困をなくそう②飢餓をゼロに⑤ジェンダー平等を実現しようとつながって世界各地が衣食足りて礼節を知るようになれば⑯平和と公正をすべての人になり⑰パートナーシップで目標を達成しようとするうねりが更に世界中に広がっていくわけです。

なんだかこじつけてるように感じるかもしれませんが、これがSDGs17の目標達成のもっとも自然な方策だと信じています。

もう少し簡単に言いますと、まずはみなさんが⑫つかう責任で地域に広く正しく雇用を生むところが建てている高断熱高気密ZEHの家を“つかう”選択さえしていただければ、先のとおりSDGs17の目標達成に大きく近づきます。

今、我々大人が正しい行動をしないことには何も変わりません。

ぜひとも未来の子どもたちのためにもつかう責任を一緒にまっとうしてまいりましょう!

◎文/吉田 登志幸(よしだ としゆき)

有限会社オストコーポレーション北関東代表取締役
1970年、大阪生まれ。2001年の会社設立時から環境問題に取り組んでいたが、東日本大震災と福島第一原発事故が大きなきっかけとなり、日本のエネルギー問題解決に少しでも寄与しようと決意。省エネ・創エネに携わる団体などを通じて啓発活動や具体的実践を行っている。SDGsにも大いに共感し、講演ではSDGsの解説と人々が取るべき具体的な行動指針を広く伝えている。
NPO法人「ソーラーシティー・ジャパン」代表理事、一般社団法人「日本エネルギーパス協会」理事、同「Forward to 1985 energy life」理事、自立循環型住宅研究会関東支部代表世話人。

◎イラスト/川島 雅恵(かわしま まさえ)

Atelier(アトリエ)「BON BON」デザイナー
武蔵野美術大学卒業後、広告代理店勤務を経て、現在はイラストや写真、編集を中心にデザイン業務に携わっている。

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