東京湾の魚からプラごみ!? 海と日本プロジェクト実証実験

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

(実験のため東京湾で魚を釣り上げる、俳優のいとうまい子さん)

 
東京湾で泳ぐ魚からマイクロプラスチックは検出されるのか? 海の環境問題を「自分ごと」として考えるため、実際に釣り上げた魚を分析する実験を日本財団の「海と日本プロジェクト」が行った。計画には俳優のいとうまい子さんや海洋プラスチック問題の第一人者、東京農工大の高田秀重教授も参加。果たして結果は?

豊かな海、子どもたちの未来に

海に囲まれた島国、日本。青く広がる豊かな海を守り続けることは、子どもたちの未来にとっても、持続可能な社会を実現するためにも避けて通ることはできない。しかし、海の温暖化や酸性化など問題は数多くあり、いかに解決に向けて取り組んでいくかが課題になっている。

 
東京湾でプラスチック問題を実験しようと企画したのは、日本財団の「海と日本プロジェクト」。プロジェクトは、海の環境悪化などを子どもから大人まで「自分ごと」としてとらえ、その輪を未来へ広げる活動を展開している。海に支えられ、海に生かされているという仕組みが理解できれば、行動が変わるはず。海を学べば、海と自分のつながりを感じ、より海をきれいにしようとする意識が高まるのではないか――。プロジェクトでは、海の恵みを味わい、海で遊び、芸術的にも海を活用することも呼びかけている。

FMラジオで分析結果を公開 果たして……

今回の企画では、分析の結果を踏まえ、海の問題をわかりやすく考えてみようと、2020年3月20日に東京都港区で「海の親子寄席プロジェクト」(井手迫義和・実行委員長)を開催した。

 
本来は収録を一般公開する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で観覧募集は見送られ、出演者だけで収録した。当日の模様は動画配信サイトでも楽しめるほか、4月5日午後10時から在京のFM局J-WAVE「J-WAVE SELECTION UMI TO NIPPON RADIO」で放送される。(*)

 
プロジェクトは「マイクロプラスチック」による環境問題を本格的に考えるため、実際に東京湾で2回にわたってシーバス(スズキ)やアジなどを釣り上げ、研究機関で内臓などを分析する実験を行った。日ごろから食卓にも並ぶ東京湾の魚たち。果たして、プラごみは検出されたのか?

 
収録には、荒れる東京湾の釣行に参加し、強風や寒さ、大きな揺れに耐えながらイシモチを釣り上げた、いとうさんのほか、朝日新聞科学医療部で環境などを担当するデスクで、趣味で釣り上げた大物のタイを分析用に提供した松村北斗さんも参加した。2人はそれぞれの立場から、日ごろから感じている疑問や意見を語った。

 
sdgs_umitonihonproject02
(朝日新聞の松村さんが釣り上げたタイの内臓も分析した=釣船いなの丸提供)

 
sdgs_umitonihonproject03
(シーバスを釣り上げ、分析のため東京農工大に届けた井手迫さん)

 
高田教授は釣った魚ごとに検査結果を発表。分析結果を解説しながら、わかりやすく海のごみ問題について語った。石油を原料とした合成樹脂のプラスチックは紫外線を浴びると耐久性が低下し、風や波の影響などを受けて破片となる。プラスチックに含まれた化学添加剤は脂肪などに蓄積されるため、人間が汚染された魚介類を食べれば、間接的に吸収することになる。高田教授はこうした現状を指摘し、温暖化やプラスチック問題など、海が抱える不安はすべて結びついていると訴えた。

 
sdgs_umitonihonproject04
(海のごみ問題の現状について高田教授の解説に聴き入る参加者)

落語通じ海の問題を身近に

私たちは何ができるのか? 何をすればいいのか? 豊かな海を未来に残すために考えるきっかけとなる内容が盛り込まれたこの番組。より理解を深めるため、落語家の立川こしらさんは、海の温暖化と酸性化をテーマにした「浦島の海」、海のごみを取りあげた「ゴミ捨てがに」という落語を聴かせた。とかく難しくなりがちな環境問題が、笑いを通じて親しみやすい演目に仕立てられた。

 
sdgs_umitonihonproject05
(海の問題をテーマにした落語を披露した立川こしらさんは釣りにも同行した)

 
* ラジオ番組はラジコのエリアフリー機能(有料)を使えば、関東地方以外でも聴取できる。
* また、番組はネットしている全国のコミュニティFMでも聴取可能。

 
<WRITER・写真>小幡淳一

この記事が気に入ったら拡散おねがいします