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持続可能なファッション 繊維製品の回収ビジネス拡大へ 明大学生記者 ミライテラスを取材

更新日 2022.06.09
明大スポーツ新聞部・新津颯太朗
目標1:貧困をなくそう
目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
目標12:つくる責任 つかう責任

持続可能な社会の実現を目指し、伊藤忠商事と朝日新聞社がタッグを組んで生まれたオンライン企画「SDGsミライテラス」。本企画では、様々な有識者をお招きしビジネスシーンにおけるSDGsの様子を発信しています。5月19日に開催された第2回では私たちの生活に欠かせない衣料品に焦点を当て、持続可能なファッションという題材について学びました。

世界2位の環境汚染産業 その原因は?

第2回では、持続可能なファッションの在り方について考えました。現代において生活必需品としてだけではなく、「嗜好(しこう)品」としての役割も果たしている衣料品ですが、「世界第2位の汚染産業」と称されるなど、様々な問題も抱えています。

進まないリサイクル、リユース 各地にしわ寄せ

服を一着つくるのには約2368㍑もの水が使われ、25.5㌔グラムに及ぶ二酸化炭素(₂)が排出されています。さらに、私たちが所持している服を手放す際の手段として、リサイクルやリユースをせず、可燃・不燃ごみとして廃棄する方法が全体の68%を占めています。こうした状況のしわ寄せが世界のどこかで起こり、環境へ影響を及ぼしています。

会場を訪れて取材、見学する学生新聞の記者=東京都港区

安価な服が大量流通 消費者の購買行動にも課題

1990年は16億着だった衣料品の国内供給量 は、2010年には40億着へと増加していますが、衣料廃棄物も増加の一途をたどっています。また、衣料廃棄物の影響は環境だけでなく、人権にまで及びます。この20年で衣料品の生産コストは減少し、低価格の衣服が市場に出回るようになりましたが、その背後には低賃金で働く途上国の労働者の存在があります。「安価だから」という理由だけで商品を購入することは思わぬところに影響を及ぼすのです。上智大学地球環境学研究科の織朱實教授(環境法)は「世界はつながっている。そして私たちの行動の一つ一つがSDGsの17の目標につながっている。これは洋服を買うのにも同じことが起こっている」とSDGsの本質を突く発言をされていました。

上智大・織教授は持続可能性を意識して着物姿で登場しました。帯には地球とシロクマが描かれていました

リサイクルポリエステル 普及拡大へ

環境に配慮した素材を使用するなど、持続可能なファッションの普及を目指すアパレルメーカー や小売りも増えています。アメリカのNPO団体・Textile Exchangeが主導する取り組みには、約700社が賛同しています。その活動の一つに「2025リサイクルポリエステルチャレンジ」というものがあります。世界全体におけるポリエステルの年間生産量は約5700万㌧ですが、そのリサイクル率はわずか14%です。そこでこのリサイクル率を2025年までに45%まで上昇させ、従来のポリエステルよりも 排出量の少ないリサイクルポリエステルを普及させることを目標としています。

繊維製品の再利用について説明する伊藤忠商事の下田さん(右)

伊藤忠 繊維製品の回収「RENU」を拡大

衣料廃棄問題を解決するべく、伊藤忠商事の繊維カンパニーではRENUという新たなリサイクルポリエステルの展開を始めました。原料にペットボトルを用いる従来のリサイクルポリエステルは品質に限界があり、廃棄問題を解決することが難しいという課題がありました。

学生記者の質問に耳を傾けるMCの根本美緒さん

一方で、RENUの原料には工場の裁断くずや古着を使用しています。繊維を分子レベルまで分解することにより、通常のポリエステルと同等の品質を保ち、何度でもリサイクルができるようにしました。伊藤忠商事の下田祥朗さんは「皆さんがワクワクする、あるいは楽しい気持ちで『これを着たい、欲しい』と思って手に取ったものがたまたまRENUだった、ということを目指しています」と、新たな試みへの希望を語りました。

writer:新津颯太朗

明大スポーツ新聞部

明治大学文学部2年。長野県出身。専攻は日本文学。小学校から高校まで選手としてサッカーに携わる。現在は大学サッカーの取材を中心に活動。21歳。 

photographer:宮本果林

明大スポーツ新聞部

明治大学情報コミュニケーション学部3年。横浜市出身。小学5年のころから野球観戦にハマり現在は学生記者として東京六大学野球を取材している。20歳。

 

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