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地球のウェイクアップ・コールに応えて海の未来を描いてみませんか?タラ号の陸の乗組員になろう!

更新日 2022.02.03
目標13:気候変動に具体的な対策を
目標14:海の豊かさを守ろう
目標15:陸の豊かさも守ろう
目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

©︎ Sacha Bollet / Fondation Tara Océan

気候危機や環境破壊が海洋に及ぼす影響を調査研究している、海洋科学探査船「タラ号」。フランス人ファッションデザイナーのアニエスベーが共同創立した「Tara Océan(タラオセアン)財団」はメインスポンサーとして、世界中の科学者や研究者と協力し、タラ号のプロジェクトを支えています。世界の海の問題に向き合うタラ号の取り組みをご紹介します。

「気候変動」「海洋生物の多様性」「マイクロプラスチック汚染」に注力

タラ号は、2003年から世界中の海をめぐり、サンプルの採取や海洋状況の観察を通じて膨大なデータを収集、気候変動や環境汚染が海洋にもたらす影響を調査してきました。これまで、45万キロ以上を航行、60カ国以上に寄港し、各地の科学者や研究所と連携して研究を進めています。過去には南極や北極でも海洋調査を行っています。 

タラ号の科学探査プロジェクトでは、特に「気候変動」、サンゴ礁とプランクトンを中心とした「海洋生物の多様性」、「マイクロプラスチック汚染」の3テーマに力を入れています。

これまでの活動内容は、「こどもタラ新聞第3号」でも詳しく紹介されています。タラ号の活動を通じて、海洋汚染の現状、危機に瀕している海洋生物に関することなど、地球環境問題の様々なことが学べます。


父島でのサンゴの調査。サンゴの枝の間のプランクトンや微生物の群集や、多様性を調べるために、採集をしているところ。チリメンハナヤサイサンゴ ©︎ Pete West / BioQuest Studios / Fondation Tara Océan
ハイスピードネット(HSN)内のサンプルの処理をする海洋システムエンジニア ©︎ Sarah Fretwell / Fondation Tara Océan

近年、世界規模で問題になっているマイクロプラスチックによる海洋汚染。最近の研究によると、海で見つかるプラスチック廃棄物の約80%は陸上で発生していることがわかっているといいます。そこで、タラ号は2019年、陸から海へのプラスチック廃棄物の流れを探り特定するために、ヨーロッパ各地の河川で調査を行いました。6カ月にわたり、9河川の河口付近や河口から5~10メートル上流の区間、計45カ所で2700以上のサンプルを採集。すると、そのすべてにマイクロプラスチックが見つかったそうです。今後、採取したサンプルやデータをもとに、各研究機関と連携し、研究を進めていきます。


”タラ号 ミッションマイクロプラスチック2019”。ハンブルグにて、マイクロプラスチックの調査中 ©︎ Noëlie Pansiot / Fondation Tara Océan

2017年と2018年には、タラ号太平洋プロジェクト(2016-2018)の一環で、日本にも来航。絶滅の脅威にさらされているサンゴの実態を、日本の海で調査しました。また、各地の港でタラ号の乗船体験や、環境教育イベントも実施しました。


式根島。海中の火山性二酸化炭素排出によって酸性化したサイトの調査中。酸性化が、サンゴや海藻、魚類に与える影響を調査 ©Nicolas Floc'h / Fondation Tara Océan

気候危機や環境破壊を救う鍵は「アートと科学の融合」

さて、突然ですが、問題です。タラ号の乗組員ってどんな人がいると思いますか?船長、科学者、エンジニア、料理人……。すべて正解です。

しかし、タラ号では科学者とともに、アーティストも乗船しています。アーティストでなければ感じることができない海の状態や様子、実際に海で体験したことを作品で発表し、「アートと科学の融合」を目指しています。日本人アーティストでは日比野克彦さん、大小島真木さんが乗船しています。

タラ号レジデンスアーティストとして乗船中の大小島真木さんによるドローイング「珊瑚の心臓」 ©Noëlie Pansiot / Fondation Tara Océan

喜界島。人工漁礁。アーティスト ニコラ・フロックの作品テーマの一つ ©︎Nicolas Floc'h / Fondation Tara Océan

タラ号に乗船したアーティストの作品は、2019年の瀬戸内国際芸術祭秋会期でも展示されました。会場となったのは、豊かな自然環境に囲まれた、香川県三豊市の粟島。粟島海洋記念館では、VRを使ったタラ号乗船体験や、タラ号活動記録の展示、乗船アーティストによる作品の数々が並び、人気を集めました。

瀬戸内国際芸術祭2019秋会期、粟島の海洋記念館でTARA展開催。タラ号レジデンスアーティストだった、ニコラ・フロックの作品。”コッコリトフォーハット”=Tara Océan財団 提供

瀬戸内国際芸術祭2019秋会期、粟島の海洋記念館でTARA展開催。タラ号の活動を紹介したパネル展示や、海洋のマイクロプラスチックや、サンゴの問題を説明するパネル展示=Tara Océan財団 提供

香川県三豊市粟島の粟島海洋記念館=Tara Océan財団 提供

「どんな海にしていきたい?」子どもら対象のポスターコンクール

「タラオセアン」財団とアニエスベーは、「アートと科学の融合」の一環として、子どもたちに地球環境問題への関心を高めてもらおうと、「タラ号ポスターコンクール」を実施中です(募集はすでに終了しています)。新型コロナウィルスの影響が続く中ですが、同財団のパトゥイエ由美子さんは「持続可能な世界でなければ、地球がもたないという、地球からのウェイクアップ・コールのようにも感じます。これまで考えることがなかったことを考えるようになった人もいるでしょう。ポスターコンクールを、これからの持続可能な生き方について考えるきっかけにしてもらいたい」と話します。

応募期間は6月10日(水)まで。6~12歳(2020年4月の新学期において小学1~6年生)の児童とその保護者が対象です。

特設サイトからダウンロードした応募フォーマットを台紙として「海洋環境や地球環境のためになる事/明日から自分がやろうと思う事」をテーマに、自由なデザインでタラ号のポスターを制作。制作したポスターは、写真を撮って、ハッシュタグ[#タラ号ポスターコンクール #アニエスベーアンファン #agnesb]をつけて、インスタグラムかTwitterに投稿してください。

投稿された作品の中から最終審査で選ばれた4組は、8月中旬に粟島で行われる環境合宿に招待される予定です。

タラ号ポスターコンクールの審査員で現代美術家の日比野克彦さんは次のように述べています。

日比野克彦さん
絵を描いている時の私は絵の中の世界に旅をしている。行ってみたい所の絵を描く。会いたい人の絵を描く。だから、絵を描けばいろいろな夢が叶うかもしれない。タラ号の絵を描いて海に行こう。いつか本当のタラ号に会える時がくるかもしれない。いつかタラ号に乗って世界中の海の調査に行くことができるかもしれない。そして将来どんな海にしていきたいのかは、あなたが描いた絵で決まる。さてあなたはどんな海の絵を描くのかな。

瀬戸内国際芸術祭2019秋会期、粟島、日比野克彦さんの作品。TANeFUNe とRe-ing-A (タラ号乗船より前に作られた作品)=Tara Océan財団 提供

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の蟹江憲史教授も、以下のコメントを寄せています。

蟹江憲史さん
コロナウィルスの影響で改めて明らかになったことの一つは、いかに人間が地球を汚してきたかということです。人間の活動が少なくなって、海がきれいになったり、空気がきれいになったり、ということが世界各地から報告されています。今後必要なことは、人間が活動を再開しても、健全な地球を保っていくことです。地球の表面の70%をおおう海の環境の変化や生態系を調査することで、健全な地球を保とうというタラ号の挑戦は、コロナ後の世界で益々重要になってくるでしょう。コンクールに参加することが、海と地球の今と未来のことを考えてみるきっかけになるのではないでしょうか。

粟島の城山(222メートル)頂上からの美しい眺望=Tara Océan財団 提供

応募方法など詳細は、特設ページをご覧下さい。

※募集は6月10日に終了しています。

まだおうち時間を過ごすことも多い中、自由なデザインを思い浮かべることをきっかけに、気候変動や海洋環境問題を身近な問題として考えてみませんか。

Secretary-General Ban Ki-moon Visit TARA Ship.

国連事務総長(当時)の潘基文氏と、タラオセアン財団エグゼクティブディレクターのロマン・トゥルブレ。2015年パリで行われたCOP21(第21回国連気候変動枠組条約締約国会)の際、COP21期間中セーヌ川に停泊中のタラ号へ乗船 ©Fondation Tara Océan

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