コンプレックスに悩む女性たちの素直な気持ち ジェンダー平等の実現に向けて

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国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)では、2030年までに達成すべき17の目標の5番目に「ジェンダー平等を実現しよう」を掲げている。しかし、男女格差の問題はなかなか解消されず、コンプレックスを抱え、生きづらさを感じている若い女性も少なくない。そんな女性たちの「生の声」に耳を傾けてみませんか?

 
朝日新聞が運営するバーティカルメディア「かがみよかがみ」は、18~29歳の女性からエッセイを募集し、集まった作品を紹介しているサイト。「私のコンプレックスを、私のアドバンテージにする」。そんなコンセプトに合わせ、素直な気持ちがつづられたエッセイには、ジェンダー平等を成し遂げるためのヒントも盛り込まれている。

 
今回は「わたしと東京」というテーマで応募があったものなかから、編集部が選んだ優秀作品の「かがみすと賞」と「編集部選」を紹介します。

 

■「わたしと東京」かがみすと賞

憧れ、焦がれて、嫉妬する。私の「東京」は年下の彼女(四条くくる)

(講評)
私は彼女に東京を感じていた。真っ赤な口紅に転げそうなヒールを履いて、他人と己と死闘するその様が、「東京」だと何故か漠然と思っていた。

 
刺激的で、手の届かない、憧れのような存在……。

 
誰にでも、そういう「東京」のような方はいらっしゃるのではないでしょうか。投稿者の四条さんにとっては、まさしくこの「彼女」なわけですよね。

 
その「彼女」が、故郷に帰ってしまいます。

 
ガッカリではなく、私は悔しくて仕方がなかった。

 
「憧れ」というきれいな言葉では言い表せない、このどろどろした気持ち。ここがより、彼女、そして東京との関係をうまく表しているなあと思いました。

 
そして、編集部で話題になったのは、四条さんが住む大阪と東京の対比。

 
何故か「東京」だと様になることを大阪ですると滑稽になる。 椎名林檎の丸の内サディスティックは多分大阪にすると「環状線マゾヒスティック」だし、終電で帰るのは池袋ではなく天王寺とか梅田になる。寺田町とか大正だとちょっとしたギャグだ。難波は環状線の丸とは少し外れた路線になるので除外だ。

 
大阪に3年半住んでいた私としても「確かに~」と大阪の街を思い浮かべながら笑っちゃいました。

 
四条さんは、12月で30歳。かがみよかがみ卒業生になります。最後に書いてくれたエッセイ「保育園児で自慰を覚えた私は、今もセックスが何か考え続けている」も力強く素敵なので、ぜひ読んでみてください。

 
*かがみすと受賞エッセイはこちら

■編集部選

方言を聞くと安心する。でも私は“標準語”を話したい(北山カオリ)

(講評)
「あ、べろをやけどしちゃったみたい…」。そのとき私がつぶやくと、一緒に食べていた友人たちが笑いだした。「なにそれ(笑)べろの言い方がおもしろいね」。 はじめは、舌のことを「べろ」と言ったことが笑われたのかと思ったが、どうやら、「べろ」という単語のアクセントの問題だったらしい。 友人たちは、東京と埼玉の出身だった。

 
え!これも方言だったの事件、ありますよねえ。

 
私は北海道を出て、もう15年ほどたちますが、つい最近「うるかす」が北海道弁だと知りましたよ。じゃあ、お米をお水に浸すことなんていうわけ?…あ、「お米をお水に浸す」っていうのか。なるほど。編集部内でもしばし、「え!これも方言だったのあるある」で盛り上がりました。

 
そして、頑なに標準語をしゃべる自分への考察も面白いなあと思って読みました。

 
親しみやすく、安心感も覚える地元の方言だけど、私は、それを話す自分を許容していないし恥ずかしい。それは少し淋しく、自分が冷酷に思える。会社や地元の人に失礼かも、とも思う。 それはおそらく、私自身がこの会社やこの場所に長くいる未来を描けないことも関係している。でも、今の環境から飛び出すことへの不安も大きい。そんな現実的な迷いが、方言の問題となって立ち現れ続ける。

 
*北山カオリさんのエッセイはこちら

 

わたしは東京から離れられない。互いに支え合って、ここで生きていく(ふらにー)

(講評)
東京がしんどい!という方にこそ、ぜひこのエッセイを読んでいただきたいです。

 
「東京の人は冷たい」なんて言葉をときどき耳にするけれど、そんなの大嘘だと思う。

 
東京という大きなかたまりで見ると、冷たかったり、怖かったりするんだけど、実は自分と変わらない、ひとりひとりが住んでいる、と気づいていく描写がいいなと思いました。

 
東京には何だってある。でもひとりでは、高い家賃を払って満員電車にすし詰めになって通勤して、心無い人の些細な一言に傷つきながらも平気なふりをして笑顔を貼りつけて、厳しい現実を生き抜いてゆけない。 ひとりひとりはとても小さな存在であるわたしたちが、紛れもなくこの大都市を形づくっている。互いに励まし合って、泣いたり笑ったりしながら、また違う明日を迎えるんだ。

 
*ふらにーさんのエッセイはこちら

 

嫌いだった街 東京で見つけた、人とのちょうどいい距離感(つちやぼたん)

(講評)
東京にまつわる悪い噂も数多く聞いていた。例えば、丸の内はビジネスパーソンが群雄割拠する戦場なのだ、とか。原宿へ行ったらギャルに新語でまくしたてられる、とか。渋谷で路地一本間違えて入ったら、密売人に捕らえられ、内臓を海外に売り飛ばされる、とか。今考えるとひどい「都市伝説」ではあるものの、それだけ危険な場所というイメージがあって、子ども時分に「東京には行くまい」と固く決心をしていた。

 
なのに!いまは、つちやさんは東京で働き、東京で暮らしています。

 
買い物するのに便利だとか、イベントが毎日あって飽きないとか、月並みな理由はいくらでもあるけれど、そうではない別の理由がちゃんとある。

 
子どものころは好きではなかったという東京を、今は好きな理由。

 
東京に暮らしたことのある方なら誰もが納得ではないでしょうか。ぜひ続きを読んでみてください。

 
*つちやぼたんさんのエッセイはこちら
*投稿いただいた「#わたしと東京」のエッセイ一覧はこちら

 
■Z世代向け女性メディア「かがみよかがみ」では、「コンプレックス」をテーマとしたエッセイのほか、「#私はNOと言う」「#小さいウソ」に関する投稿もお待ちしています。応募方法などはこちら

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