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【対談連載3/3】異なる価値観を持つ人たちが集う、「難しさ」と「面白さ」【未来メディアキャンプvol.2】

更新日 2020.10.22

仕事にも役立つフィールドワーク

神武 2回目の「未来メディアキャンプ」も間もなく始まります。何かアドバイスをいただけますか?
 
林 私が仕事をする時に重視しているのがフィールドワークです。どんなものでも、私は仕事をする時に現地で生活する人々の暮らしを見たり、直接話を聞いたりします。そこで気づかされることが本当に多い。「未来メディアキャンプ」の中のフィールドワークも同じではないでしょうか。
 
神武 フィールドワークは、記者の方の日頃の人的ネットワークも活用させていただいて行っていますが、記者の方にとっても記事を書くために話を聞くのではなく、その課題を解決するために話を聞くという一般参加者の方たちの視点を知ることができるのはいい刺激になっていると伺いました。林さんはフィールドワークをされるとき、どんなことを重視されていますか?
 
林 私は徹底的に「見る」ようにしています。人間って誰かに何かを聞かれると、相手が望むようなことや自分の理想など、事実と違うことを意図せず言ってしまいがちだと思うんです。
 

 
神武 ありますね、そういうこと。やっぱり誰だっていい人間に見られたいですから。
 
林 そうなんですよ。なので、私は「聞く」よりも「見る」。自分の知っていることもひとまず取り払い、一次情報を得る。直接感じる。社内でも、「見ている間に情報を取れ!」といつも言っています。一番いいのは、相手と一緒に何かを食べたり、飲んだりする機会を持つことなんですけどね。そういう場では相手の本音を聞けますから。
 
神武 確かにフランクな雰囲気の中で一緒に同じ時間を過ごして何かをするというのはすごくいい方法だと思います。次回のフィールドワークでそういう時間を持てないか、ぜひ検討してみたいです。

異なる価値観を持つ人が集うおもしろさ


 
神武 僕は「未来メディアキャンプ」の中で、参加者の方たちが自ら気づきを得る瞬間を体験してほしいと思っています。そのためには、自分なりの社会課題に対する問題意識を持って参加するといいんじゃないかと思うのですが、林さんはどうお考えですか?
 
林 私はあまり難しく考える必要はないんじゃないかと思っています。「なんだかわからないけれど、その話を聞いているとワクワクするなぁ」と思ったら参加してみたらいい。ワクワクするって大事なこと。そういう気持ちで参加した人が多いほど、大きな化学反応が起こってワークショップ全体が活気づくのではないでしょうか。
 
神武 なるほど。そういう見方もできますね。いずれにせよ「未来メディアキャンプ」が自分と異なる価値観を持つ多様な人たちに出会える場になると思います。
 
林 私はこのワークショップが長く続くプログラムになったら素敵だと思っています。毎年多様な人たちが集まって、それが20年、30年と続けば大きな人材のネットワークができますよね。
 
神武 そういうコミュニティができるというのも、日本の一つの力になると思います。頑張りたいと思います。期待していてください。

speaker:神武 直彦

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科准教授

大学卒業後、1998年に宇宙開発事業団入社。H-IIAロケットの研究開発と打上げおよび国際宇宙ステーションプログラムにおけるNASAや欧州宇宙機関(ESA)との国際連携に従事。ESA研究員、宇宙航空研究開発機構主任開発員を経て2009年より現職。専門は社会技術システムのデザインとマネジメントやイノベーティブなサービス創出のためのプロセス・環境構築。一般社団法人GESTISS(宇宙・地理空間技術による革新的ソーシャルサービス・ コンソーシアム)理事。アジア工科大学大学院客員准教授。

speaker:林 千晶

ロフトワークの共同創業者、代表取締

2万人が登録するクリエイターネットワークを核に、新しいクリエイティブサービスを提供する同社を2000年に起業。Webデザイン、ビジネスデザイン、コミュニティデザイン、空間デザインなど、手がけるプロジェクトは年間500件を超える。学びのコミュニティ「OpenCU」、デジタルものづくりカフェ「FabCafe」などの事業も展開している。MITメディアラボ 所長補佐、グッドデザイン審査委員、経済産業省 産業構造審議会 製造産業分科会委員も務める。1971年生まれ、アラブ首長国育ち。早稲田大学商学部、ボストン大学大学院ジャーナリズム学科卒業。 2015年1、2月開催の朝日新聞社・未来メディア塾「イノベーション・キャンプ」で、審査員(アドバイザー)を担当。

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