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【対談連載1/3】「未来メディアキャンプ」に見た、これからのメディアが秘める可能性【未来メディアキャンプvol.2】

更新日 2020.10.22

第2回「未来メディアキャンプ」開催を記念し、モデレーターを務める慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の神武直彦准教授と、前回に引き続きアドバイザーとして参加するクリエイティブ・エージェンシーのロフトワーク代表取締役の林千晶さんが対談。前回の「未来メディアキャンプ」の感想やこれからのメディアの役割などについて幅広く語り合いました。

参加者の生き生きとした様子が印象的だった


 
神武 前回の「未来メディアキャンプ」ではアドバイザーとして、参加者がチーム毎に考えたアイデアを発表するプレゼンテーションの審査をしていただきました。どんなご感想を持たれましたか?
 
林 とにかく参加者のみなさんが生き生きしていると感じました。事前に行われた議論やフィールドワークなど、それぞれのアイデアを練り上げていくプロセスにも関わりたかったなぁとちょっと残念に思うくらい、みなさん楽しそうでとてもいい雰囲気でした。
 
神武 それはうれしい感想ですね。実はモデレーターである僕自身、参加した方々からたくさん元気をもらいました。職業も年齢も違う人たちが朝日新聞の記者の方と一緒に、さまざまな社会課題を解決するにはどうしたらよいかを考えるワークショップだったわけですが、集まってすぐに意気投合していたチームが多かったように思います。やはり、日頃から関心を持っている社会課題について考えたい、システム思考・デザイン思考について学びたい、など自分の意志でキャンプに参加された方々だったからではないでしょうか。

社会課題を解決するためのサポート役として


 
林 あと、どのチームでも記者の方たちがとても喜んでいるように見えたのが印象的でした。私も通信社の記者をしていた経験があるのですが、第三者に何かを伝えようとするとき、その物事のどこに焦点を当てて記事にするかという編集作業が必要になります。記者はいわば、物事の情報を編集する仕事なんですよね。
 
神武 なるほど、確かにそうですね。
 
林 記者はある課題について、それを解決したいという思いから「ここにこんな課題があります」と記事にします。でも、ジャーナリズムには事実を公正に伝えるためにニュートラルな立場でいなければならない、という制約があると思います。
 
神武 記者の方たちはいつもそのジレンマを感じながら記事を書いていると?
 
林 はい。ところがこの「未来メディアキャンプ」は、社会課題を“解決するため”の具体的なアイデアを考えるのが目的のワークショップです。記者の方が情報やものの見方を伝えると、チームのメンバーがそれについて意見を出し合い、具体的な解決策を生み出すワークを行います。その流れを目の当たりにできたことが記者の方たちはうれしかったのではないでしょうか。
 
対談連載:2はこちら

speaker:神武 直彦

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科准教授

大学卒業後、1998年に宇宙開発事業団入社。H-IIAロケットの研究開発と打上げおよび国際宇宙ステーションプログラムにおけるNASAや欧州宇宙機関(ESA)との国際連携に従事。ESA研究員、宇宙航空研究開発機構主任開発員を経て2009年より現職。専門は社会技術システムのデザインとマネジメントやイノベーティブなサービス創出のためのプロセス・環境構築。一般社団法人GESTISS(宇宙・地理空間技術による革新的ソーシャルサービス・ コンソーシアム)理事。アジア工科大学大学院客員准教授。

speaker:林 千晶

ロフトワークの共同創業者、代表取締

2万人が登録するクリエイターネットワークを核に、新しいクリエイティブサービスを提供する同社を2000年に起業。Webデザイン、ビジネスデザイン、コミュニティデザイン、空間デザインなど、手がけるプロジェクトは年間500件を超える。学びのコミュニティ「OpenCU」、デジタルものづくりカフェ「FabCafe」などの事業も展開している。MITメディアラボ 所長補佐、グッドデザイン審査委員、経済産業省 産業構造審議会 製造産業分科会委員も務める。1971年生まれ、アラブ首長国育ち。早稲田大学商学部、ボストン大学大学院ジャーナリズム学科卒業。 2015年1、2月開催の朝日新聞社・未来メディア塾「イノベーション・キャンプ」で、審査員(アドバイザー)を担当。

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