夏休み真っ盛りです。身近なテーマに引きつけて、子どもがSDGsを楽しく学べる機会が増えています。2030年を達成年限として定められたSDGsを学校で学ぶ子どもは多く、企業も社会貢献の一環として多様なプログラムを用意しています。この夏、子どもと一緒にSDGsを学んでみませんか。
コーヒーからSDGsを UCC、参加型セミナー
UCC上島珈琲は、夏休みの自由研究にも使える小学校4~6年生向けの特別セミナー「コーヒーとSDGs for キッズ」を開催します。同社は2021年以降、計5千人以上の小学生~大学生に対して、コーヒーを通してSDGsを考えるオンラインセミナーを実施してきました。その経験をふまえ、小学生向けの参加型セミナーを開きます。

温暖化の影響、生産農家の現状を学ぶ小学生
7月21日に東京都内であったセミナーには10組20名(子ども1名につき保護者1名)が参加しました。「コーヒーの木1本から、およそ何杯分のコーヒーがとれるでしょうか?」というクイズに始まり、参加者はコーヒーの産地上位10カ国の共通点を学びました。地球温暖化によって将来、良質なコーヒーの収穫量が減る懸念があることを講師の願能千瑛さん(UCCホールディングス サステナビリティ推進室)が伝えました。生産農家の8割が小規模農家であることを知った参加者からは驚きの声があがっていました。手元にはワークシートに加え、地球環境や生産者の人権を考える小学生向けの新聞も配られました。

約1時間のセミナーでしたが、子どもの質問は途切れることがありませんでした。「コーヒーはいつ、どうやって日本に入ってきたのですか」「コーヒーチェリーの赤い実は食べられますか」「コーヒー産地ではコーヒーが飲まれているのですか」……。千葉県船橋市の小学6年生、曽谷芽瑠さん(11)は「コーヒー豆は黒いものだと思っていました。コーヒーかすに消臭効果があることも学べました」と満足そうに語りました。

リアル開催は東京が8月7日、神戸が8月3日で、オンライン開催は8月9日と22日です。参加無料で先着順です。セミナーは一部キャンセル待ちです。申し込みなど、委細は特設サイトをご覧下さい。
「食」のSDGsを学ぼう 伊藤忠商事


伊藤忠商事は東京本社敷地内の「ITOCHU SDGs STUDIO」で、8月1日~30日、食にまつわるSDGsのクイズラリー「おいしい自由研究」を開催します。食に関係した展示施設をまわると、クイズ形式でSDGsを学べます。正答数に応じて、自由研究のヒントが詰まったギフトなどがもらえます。敷地内には7月21日、食体験を通じてSDGsを体感できるレストラン「星のキッチン」がオープンしました。サステナブルな食の取り組みを定番メニューで提供し、気軽にSDGsを学べます。メニューの一例を挙げましょう。「焼きナスのソイボロネーゼ」は、挽き肉の代わりに大豆ミートを使い、トッピングのチーズは植物性のソイチーズです。
規格外野菜の価値、見直そう アート展も

隣接するスタジオでは、規格外野菜の価値を見直し、アート作品に変えた「アートな青果展」が開催中です。規格外の野菜はたいてい出荷されずに廃棄されます。そこで、規格外野菜を3Dスキャンし、「彫刻作品」として展示。価値を再発見しよう、というメッセージが込められています。規格外野菜とアート作品を値付けして購入できるコーナーもあり、売り上げはNPO法人に寄付されます。詳しくは、公式インスタグラムをご覧ください。
水素を学び 燃料電池もつくろう スイソミル

次世代エネルギーとして注目される水素について学べる水素情報館「東京スイソミル」(東京都江東区)では、水素社会を体験できるプログラムが8月5、6日に予定されています。5日は「水素をたくさん運ぶには?―気体・液体・固体を学ぼう―」という特別実験教室が開かれます。小学3~6年生と保護者が対象で、水素エネルギーを研究する専門家を招き、水素を一度にたくさん運ぶための秘密に迫ります。気体・液体・固体の仕組みも学べます。6日は「水素で電気はどのようにつくるの? 本物の燃料電池をつくってみよう!」が開かれます。トヨタ自動車の燃料電池自動車「MIRAI」を製造する人たちと燃料電池を作って、ラジコンカーを動かす講座です。こちらは小学1~6年生と保護者が対象です。いずれも、午後2回開催され、定員は各回6組です。整理券を開始1時間前から配ります。これらのプログラムは、東京スイソミルのサイトに概要が掲載されています。
京急百貨店、ゴミ処理場を特別見学 丸太切りも

京急グループの京急百貨店(横浜市港南区)は8月4日~6日、「夏休みSDGsフェア」を開きます。「京急百貨店の裏側に潜入!! キッズデパート探検隊」を開催。百貨店の地下にあるごみ処理場をはじめ、防災センターなど、ふだん入ることのできない場所を見学し、学びを深めることができます。また、三浦半島にある京急電鉄の社有林で間伐した木を使った「間伐材のコースターにデザインしよう!!」といったプログラムも用意されています。横浜市水道局による「(山梨県)道志村の間伐材を使った丸太切体験・コースター作り!!」も開かれます。問い合わせは京急百貨店(045-848-1111)へ。京急グループのサイトにも委細が載っています。