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防災は「正解」よりも「成解」 自分の身を守る「4つの危ない」を考える

公開日
目標11:住み続けられるまちづくりを
目標13:気候変動に具体的な対策を

災害大国と言われる日本においては、SDGs目標11の「住み続けられるまちづくりを」や目標13の「気候変動に具体的な対策を」など、持続可能な社会に向けて、「防災」や「減災」が必要不可欠な取り組みとなっています。

また、目標4の「質の高い教育をみんなに」との関わりにおいても、防災教育の重要性が高まっています。一方で、防災教育の必要性は認識しながらも「どこから手をつければいいのか分からない」という声が多いのも事実です。そこで、

今回は学校や地域コミュニティ、家庭内で学び合える防災テーマとして、災害の中でも予測が難しい地震をとりあげ、「とっさの時」の対応について紹介します。

災害は複雑です。とるべき対応もその時にいる場所や季節によっても異なります。地震の時に「どうするか」から考えると様々なケースを想定し、覚えるべきことが無数にあるように思えるでしょう。だから、まず、「なぜ、そうするのか」をしっかり理解しながら、ポイントを押さえておきましょう。まずは、一人ひとりが自分の身を守る行動をとるための「4つの危ない」を紹介します。

とっさの時にどう動けばよいかの判断力

地震で「グラッ」と来たら、まず、「4つの危ない」から離れましょう。4つの危ないとは、「落ちてくるから危ない」「倒れてくるから危ない」「動いてくるから危ない」「割れるから危ない」です。

「落ちてくる」ものは、高所に置いてあるものや天井から吊られている照明器具など、「倒れてくる」ものには、本棚やロッカーといった背の高い家具などがあります。「動いてくる」ものには冷蔵庫や洗濯機などの大型の家庭用電気器具やピアノがあげられます。被災した子どもたちが「冷蔵庫がこっちに向かって歩いてきた」と表現したことがありました。出口がふさがれる危険もあるので注意が必要です。「割れる」ものには食器や花瓶などがあり、割れて床に散乱する危険性があります。

いつ、どんな場所にいても、「4つの危ない」に沿って危険な場所を自分でチェックしておくことが「備え」になります。そして、地震が来たら、「4つの危ない」から身を守る「対応」をします。日ごろから、そのことを意識して通勤・通学路、よく立ち寄る先、さらには初めて行く場所でもチェックするくせをつけておくと、ビルの窓ガラスが「落ちてくる」ことや自動販売機が「動いてくる」なども想像できるでしょう。そうするうちに、とっさの時にどう動けばよいかの判断力がついていきます。

エレベーターで地震にあったら、閉じ込められてしまう?

次に、特殊なケースとしてエレベーターに乗っている場合を想定してみましょう。「4つの危ない」はほとんどない代わりに、「下に落ちる」「中に閉じ込められる」など別の面での心配がありますね。

現在のエレベーターのほとんどには、大きな揺れが起きると自動停止する機能がついています。「止まると閉じ込められるのではないか」と不安に思っている人が多いようですが、地震でエレベーターが停止するのは、そのエレベーターが暴走せずに正常に働いている証しです。まずは、地震を感知して乗っている人を守ろうとしているから止まったのだと受け止めてください。あわてず、降りることを考えましょう。

グラッと来たら、エレベーター内にある各階のボタンを全部押してください。地震時管制運転設置済マーク(*)があるエレベーターなら自動的に最寄り階に止まります。扉があいた階で降りて、外に出たければ階段を歩きましょう。強い地震(本震)の後の余震は基本的には小さくなります。館内放送やスマートフォンで情報を得られるようなら、様子を見ながら判断しましょう。


階と階の間に止まってしまったら、深呼吸をするなどして落ち着いて、エレベーターの中を見渡してみてください。インターフォン(非常呼)があれば、押して管理会社の人と連絡をとりあいましょう。

また、エレベーター内に箱があれば(椅子型の場合もあります)その中にエレベーターが止まった時に使える便利グッズが入っていることもあります。中に笛があったら吹いて「中に人がいるよ」と知らせるなどの対応をしてください。

このように、災害時にとるべき行動は、その時いる場所や状況によっても違います。絶対的な答えも、唯一の正しい答えもありません。防災に「正解」はないのです。大事なのは、まずは自分の身を守ること。そして、その場にいる人たちが暫定的に納得し、合意できるような「成解」を導きだすことです。

この記事を読んだら、ぜひ、家の中の「4つの危ない」を探したり、普段使うエレベーターをチェックしたりしてみてください。一人ひとりのそんな身近な実践が社会の防災意識の高まりにつながっていきます

【参考】

*地震時管制運転設置について

https://www.seinokyo.jp/evs/top/

画像・資料提供:株式会社エィアンドエィティー、一般社団法人建築性能基準推進協会

≪この記事は『図解でわかる14歳からの自然災害と防災』(社会応援ネットワーク著/太田出版)の内容を加筆修正して作成しました≫

writer:代表理事 高比良美穂

一般社団法人社会応援ネットワーク

「心のケア」や「防災教育」、「多文化共生」を中心に子ども・学校支援を行う社会応援ネットワークの代表理事。朝日新聞社でメディアプロデューサー、若者向け新聞『SEVEN』の編集長などを経て2002年に独立。『子ども応援便り』『がっこう応援便り』などの編集長を歴任し、2011年、東日本大震災の被災地の学校からの要望で避難所にメッセージ号外を配布したことをきっかけに団体を設立。以後、全国の学校や保護者団体と連携し、「学校に今、必要なこと」に応え、情報提供や出前授業などの活動を続ける。2020年、コロナ禍での悩みに応えるためのサイト『こころの健康サポート部』を立ち上げる。

最新著書紹介『図解でわかる 自然災害と防災』

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