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新聞とふせんを使ってSDGsを学ぼう 東大和市の小学校へ「出張授業」 朝日新聞社

更新日 2022.02.02
目標2:飢餓をゼロに
目標3:すべての人に健康と福祉を
目標4:質の高い教育をみんなに

 ふだんのニュースからSDGs(持続可能な開発目標)を学び、考えませんか――。朝日新聞社は、本紙とオリジナル副教材「ペタッとSDGs新聞学習ふせん」を使ったSDGsの出張授業を展開しています。身の回りの生活から、グローバル社会の問題点を考えるのに適したテーマで、子どもに未来を見据えた行動をとってもらう狙いがあります。東京都東大和市で実施したワークショップを取材しました。

6年生110人が体験 近隣市教委から見学

 「身近なことを世界とつなげる」をテーマにした授業は12月3日、市立第二小学校の6年生を対象に開かれました。3学級(計約110人)の児童が参加しました。近隣自治体の教育委員会からも見学者が訪れました。

 今回は朝日新聞マーケティング戦略本部のSDGs担当チームと朝日新聞販売所(ASA)が連携。ASA大和南部の奥田康二所長が市教育委員会に提案し、授業が実現しました。市教委の小野隆一参事は「昨年からSDGs教育の推進を掲げていますが、コロナ禍で思うように進まないところもあります。そんな折に良い提案を頂きました」と話します。

 授業に先立ち、奥田さんは朝刊150部を学校に配布。児童は前もってSDGsの視点で記事を読みました。6年生の担任、片山香里教諭は「見出しを分かりやすく説明し、記事を理解してもらうように努めました」。1学期にSDGsの授業を展開し、興味のあるテーマを調べる学習にも取り組んでいたそうです。

貧困や飢餓を考えるきっかけに

 当日は、朝日新聞CSR推進部の講師がSDGsの仕組みと考え方を説明しました。言葉の定義や意味を話すことにとどまらず、貧困や飢餓を考える「問い」も発しました。

 「世界では飢餓に苦しむ人が多く、日本でも貧困層が増えているというよね。どうしたらよいか、みんなで考え、行動していくことじゃないかな」

 児童は聴き入ります。すると、講師は黒板に一枚の写真を貼りました。水くみを終えて家路につくアフリカの子どもが写っています。

水を運ぶケニアの子どもたち。飢餓や貧困を考えるために講師が示した1枚だ(国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン提供)

 「何をやっているところでしょうか」

 講師の問いかけに、児童は「汚れた水をくみに行っている」などと応えました。講師は、安全な水を手に入れることができない子どもが世界に22億人以上いるとされ、汚れた水を飲んで命を落とす乳幼児が年間30万人以上いることを話しました。「すべての人に健康と福祉を」「安全な水とトイレを世界中に」――。SDGsの目標(ゴール)に関係した写真を取りあげたことで、児童の理解度が高まったようでした。

朝刊を活用 SDGsのニュースを見つける

 メインの教材は、11月25日付の朝刊紙面です。SDGsの目標が色鮮やかにあしらわれた「ふせん」を活用。児童は数人の班にわかれ、関連性のある記事にコメントと名前をつけて貼りました。

色鮮やかなふせんを手にする児童。SDGsの目標があしらわれた朝日新聞のオリジナル副教材だ
SDGsに関する記事を探し、意見をふせんに書く児童。国際ニュースから経済記事まで、様々な記事が選ばれた

 一面トップ記事「政府、石油放出を表明 国家備蓄分」や、経済面「外食大手 広がる配膳ロボ サービス向上・非接触ニーズに対応」を選んだ児童が目立ちました。流通業界の配膳ロボットは、コロナ禍を踏まえた流通業界の取り組みで、「今の世の中にぴったり」という声があがりました。その後、コメントを書いた理由を発表して約1時間半の授業を締めくくりました。

黒板にふせんを貼り出す児童。新聞の報じるニュースを読み、意見を書き込むことで、考えが整理された児童が多かった

読み、考え、書き、発表も 他校も実施へ

 片山教諭はこう、振り返ります。「新聞を読み、考え、ふせんに自分の考えを書き込む一連の作業が良かったと思います」。その上で、「児童には毎日の生活でSDGsを意識して欲しい。手を洗うことは健康につながるし、給食を残さず食べることは食品ロスの削減につながります。できることからやってもらいたい」と話します。

 市教委の小野参事にも感想を尋ねました。

 「児童はSDGsの目標に対して、自分なりの視点を持って学べていました。朝刊とふせんを使った教育効果の高いプログラムだと感じました。SDGsは正解のないテーマですので、自分でものごとを考えるきっかけになると思います」

 校長会で授業の内容を共有し、他の小中学校でも実施を検討するそうです。

黒板に貼り出された新聞とふせん。児童の様々な考えが書き込まれていた

 児童はどう受け止めたのでしょうか。6年生の西本沙羽さんは「新聞を教材にして学ぶのは初めてで新鮮でした。特集記事以外でもSDGsの記事が載っていました。食品を無駄にすることがあるので、これからは食品ロスに気をつけたいです」と感想を話しました。

地元企業から依頼も SDGs授業を拡充へ

 授業の様子は5日付朝刊の都内版に掲載されました。反響は大きく、ASA大和南部には金融機関や行政から、一緒にSDGsの授業に取り組みたいという要望が寄せられました。奥田さんは「児童が新聞を読み、ふせんを貼って発表する姿に先生が引き込まれていました。子どもの発言に大人が学ぶ姿が見え、印象的でした」。SDGsの授業を生涯学習の場でも活用できたら、という期待感もわき起こってきたそうです。授業を通じて児童が自分たちの暮らしを見つめ、2030年までの社会を考える契機になれば、と願っています。

    ◇
 SDGs授業の申し込み方法は、朝日新聞のサイト(https://www.asahi.com/corporate/nie/)で紹介しています。

writer:橋田 正城

朝日新聞マーケティング戦略本部

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