2030SDGsで変える
Twitter Facebookでシェア
  • ホーム
  • 【小中高生向け】太陽光発電、植物由来プラスチック……脱炭素の技術、身近に

【小中高生向け】太陽光発電、植物由来プラスチック……脱炭素の技術、身近に

更新日 2023.01.24
目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
目標12:つくる責任 つかう責任

太陽光発電できるガラス
ガラスとガラスの間に太陽光発電の部品をはさんだ合わせガラス。
光をよくとりこめて、強度があります。

 豪雨災害や気温の上昇、森林火災――。こうした気象災害が起きるのは、地球温暖化による気候変動の影響があるといわれます。温暖化の原因の一つとされる温室効果ガスを減らすため、「脱炭素社会」に向けた製品づくりが進んでいます。

(谷ゆき/朝日小学生新聞 2022年10月7日)

朝日学生新聞社が発行する「朝日小学生新聞」「朝日中高生新聞」からSDGsに関連する記事を掲載しています。(一覧に戻る)

太陽光発電を街じゅうで

 脱炭素というのは、二酸化炭素やメタンなど、地球の熱を保つ温室効果ガスの排出を減らすことです。

 私たちの暮らしを支えるエネルギーの多くは、石油や石炭などの化石燃料を燃やすことでつくられています。化石燃料は燃えるとき、二酸化炭素を大量に出します。また、化石燃料は、大昔の動植物の死がいなどが長い時間をかけて変化してできたものなので、限りがあり、いつかなくなる心配もあります。

 こうした中、私たちも暮らしの中で取り組める脱炭素の技術が、少しずつ広がっています。

発電も蓄電もできる照明
太陽光発電ガラスを使った街路灯。蓄電ができて、災害時の電源としても使えます=写真はどれも2022年8月31日、千葉市の「第2回脱炭素経営EXPO」

 太陽光発電ガラスを使った街路灯をつくる矢木コーポレーションの岩佐雅登さんは「これ一つで発電も蓄電もできて、照明としても使えます」。強化ガラスでできているため安全性に優れ、災害時の非常用電源にもなります。防災公園や避難場所などへの設置が進んでいるそうです。「今後は大型スーパーや駐車場などへの設置も目指したい」と話します。

 ガラスメーカーのAGCは、20年以上前から太陽光発電ガラスをつくっています。この会社の細入夏生さんはここ数年、脱炭素を進めたいという問い合わせが急増していると言います。

 大学や家庭でも太陽光発電を取り入れられるよう、太陽光発電パネルのメーカーと、パネルをのせる台をつくる会社、部品メーカーが協力して製品を開発。雨や直射日光などから自動車や自転車を守る簡易車庫「カーポート」の屋根に、パネルを設置しました。

自転車置き場の屋根で発電
3社が協力して開発したカーポート。自転車置き場として使うこともできます

 台をつくるクリーンエナジージャパンの花岡直樹さんは「脱炭素に取り組みたいと思っても、なかなかできないことが多いと思います。家庭の自転車も電動に変わってきている今、大学やお店、家庭に発電できるカーポートがあれば気軽に使えます。電気を自分のところでまかなうこともできます」と説明します。

土にかえるプラ製品、リサイクルを

 石油を原料にしていたカップやトレー、ボトルなどの製品を、トウモロコシやサトウキビなど植物の原料からつくっている会社もあります。

植物由来のプラスチック製品
プラスチック製品への印刷を手がける大同至高といっしょに協和が開発した

 「植物からできたプラスチックは、石油からできたものに比べて原料の値段が高く、なかなか広がらない」。こう話すのは、70年にわたってプラスチックをさまざまな製品に加工してきた会社、協和の原田淳一さんです。

 植物を育てて、製品をつくり、使った製品が土にかえる、その土からまた植物を育てる、というサイクルが理想と言います。「ペットボトルの回収のように、国や行政の協力でリサイクルする仕組みができれば、利用する人も増えていくと思います。費用が多少高くても、地球環境のために何が必要かを考えてもらえたら」と話しています。

脱炭素を目指す動き

2015年12月
温暖化対策の国際ルール「パリ協定」に世界の約190の国と地域が合意。地球温暖化を防ぐため、産業革命前からの気温の上昇を1.5度におさえることを目標に

2016年11月
パリ協定が発効

2020年10月
菅義偉首相(当時)が50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「脱炭素社会」を目指すと宣言

2022年7月
脱炭素化を進める「GX(グリーントランスフォーメーション)実行推進担当大臣」を新設

2022年11月
国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)がエジプトで開催予定


温室効果ガス
大気中にあって熱を逃がさず、地球の温度を保つガス。二酸化炭素やメタンなど

実質ゼロ
石油や石炭などの化石燃料を燃やして発生した温室効果ガスの量が、光合成で森林などに吸収される量を引いて「ゼロ」になること

朝日学生新聞社が発行する「朝日小学生新聞」「朝日中高生新聞」では、時事ニュースをわかりやすく解説することはもちろん、楽しい読み物や学習まんがなども満載。まいにち活字にふれることで、学力アップにつながります。中学受験、高校・大学受験にも大いに役立ちます。

朝日小学生新聞、朝日中高生新聞について詳しく見る

朝日小学生新聞にはデジタル版「朝小プラス」、朝日中高生新聞にはデジタル版「朝中高プラス」があります。

朝小プラス、朝中高プラスについて詳しく見る

紙の新聞をデジタル化し、記事検索など教育現場で利用しやすい機能を搭載したクラウド型の学習支援サービス「朝小・朝中高デジタル for school」もあります。

朝小・朝中高デジタル for schoolについて詳しく見る

朝日学生新聞社が発行する「朝日小学生新聞」「朝日中高生新聞」からSDGsに関連する記事を掲載しています。(一覧に戻る)

  • ホーム
  • 【小中高生向け】太陽光発電、植物由来プラスチック……脱炭素の技術、身近に

URLをコピー

  • シェア
  • ツイート
  • LINEで送る
  • はてなブックマーク
  • 目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 目標12:つくる責任 つかう責任